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通りがかりでフジバカマ(大原野) [時井]

在所のひとたちが 訪ねるころ
回転灯篭が縁側のガラスに反射し
そこには 金魚が泳いでいた
記憶と 髪型がいっしょ 懐かしい顔を見つけ

数珠繰りは 反時計回りに回す
ひとりは 数珠の内側で鐘を鳴らし
幾人かは外側で囲む
木箱には百万遍の墨書き

御詠歌を 歌う人 聞く人 雑談する人 たしなめる人 思い返す人
あなたの口癖は 今夜はじけに行くか?
もう一度 あなたに私の歌を聞いてほしい

忌明けは 三月にまたがらぬよう三十五日で営まれ
笠餅は 傘を被った人の形となり
花言葉は あの日のことを思い出す
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通りがかりでR32スカイライン [時井]

あなたは郵便局へ小包を持っていく
私は炊事場でアイスコーヒーをいれ 異変に気づく・・・
戻るなり 悲鳴を上げ
火とめてくれた? ありがとうと

あなたは喫茶部へ会報の記事取材にいく
出発するなり 私の車のテールランプがついたままと告げる
昼に 地下道で消し忘れたみたい
充電するついでに 送りましょうか?

それに雨傘持ってますか ピリピリ降ってきました
ピリピリは辛いときと ちがうの?
ワイパーのいらない程度の 雨降りの言い回し

やかんの取っ手の熱 焦げたにおい
あの頃を思い出す高音が 小っ恥ずかしいと
翌日 あなたが見せた 鴨川で坂本龍馬に扮したスナップ
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通りがかりで萩(迎称寺) [時井]

あなたが私の夢に迷いこむ
別離をひとつ 覚えたと告げる
そして 夢のなかで私はあなたの体を抱きよせる
昨夢は正夢 私をかすめつつ

夢占い師が居眠りした隙に
あなたは眠りにつかぬまま 朽ちた土塀を超えてきた
そして 夢占い師は目を覚ます
日向ぼっこの ねこの騒がしさに

朝一番 受話器は 迎えに来るよう繰り返し告げる
老女性は かけ間違いを疑わず 
バスはいつ来るの? あなたはいつもの人? と

夢占い師は 今夜苦いコーヒーを注文するだろう
私は あなたから教わっていた再利用を思い出す
コーヒーかすを ブロック塀の猫道に置こう
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タグ:迎称寺 萩
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通りがかりで七条通り [時井]

疎遠になっていた人と 夢で意外に会う
その人は何げ となりに座り受話器をとると
私の携帯が鳴る その人は横顔のまま
左耳に受話器をあて 私の声を拾う

朝一番の電話は その人からのもの
家をしばらく留守にする間 幾つかの鉢植え
水をやってほしいと 昼休み私を訪ねると
だけれども 席を離れるている間に 見合わせの連絡が入る

昼休み この道は あなたが息を吸い
あなたが息を吐いた道と 意識する
風が吹く田んぼ隅で 越境する案山子と郵便ポスト

不意にセンサーライトが点灯する 私に反応したか あなた?
聞きもらした項目に気づく どこまで行くの?
雨の日はどうするの? 新聞や郵便は止めたの?
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おまけ
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通りがかりで産寧坂 [時井]

私は リレーの第二走者
産寧坂の石段下で アンカーの夢二式にバトンを渡す
あなたは 手をふり離れて行く
私は 遠回り覚悟で 別道で産寧坂の終点を目指す

朝刊配達 二階の雨戸を引く音は 私への声援
小雨 宵待草 月見草は 見ないふり
オレンジ色の街灯をたよりに 道なりに進み
現在地表示のない地図は 私を悩ませ

いつしか それぞれの水たまりが つながり始め
雨脚はいよいよ強く ビニール傘を買う
誰かの声で 地区運動会が 降雨で途中終了したことを知る

たとえ降雨で終了しても テントの片付けは天幕が乾いてから
産寧坂を いまだ走り続けているはずのあなたより先に
坂の終点にたどり着き 見失わないよう 天幕を乾かすロスタイムで
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おまけ
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タグ:産寧坂
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通りがかりでカボチャと黄点滅 [時井]

私は呂川の水底で 川の流れを見上げ
手を伸ばしても 流れる落葉にも 一日のざわめきにも届かない
心の中に ますます水が流れ込み
私は悲しみに溺れ 心臓を握られる

バックパッカーの女学生は
パスポート入りのリュックを失ったとき
大使館を訪ね 誰かと出会った
凍りすぎたアイスに れろれろと舌が麻痺した

ずっと朝から話中と 116番で受話器外れを教えられたと
大使館員が 私を探す
私は言葉を探し ろれろれと舌がもつれる

だけれども 川の流れを見上げると いつのまに空となり
折りたたみ傘とライフジャケットを持ち歩く
いつのまに青空 いつのまに雨空 いつのまに律川沿い いつのまに曇り空
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通りがかりで落合 [時井]

少年は待つことを選択し せまい4ドアでひたすら退屈した
グローブボックスを開け 背もたれを倒し 運転席に座り・・・・・・
ついに少年はドアを開け 冒険を決行した
呂川に秋海棠が咲き 律川に彼岸花が咲いた

紫陽花は 小さなおちあいで剪定されないまま秋を迎え
二人は せまい4ドアに 同時に戻った
その人は運転席に座るなり 少年に手品を見せた
後写鏡なぶった? と

後方視界のほぼないワゴンの荷台
段ボール箱を四人でお手繰りし 奥の部屋に運ぶ
心臓が早歩きする頃 マルーン色の車輪が軋む

あなたから箱を受けとるとき 保湿クリームが香る
水濡注意のステッカーに 汗がにじみ
天地無用のステッカーに か弱い私にさせるか? と
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通りがかりで秋海棠(京都市左京区・呂川) [時井]

一枚だけ 眼鏡を外し 卒業アルバムに写りこむ
幼き日 遮眼子を目にあて 笑いが止まらず
誕生ケーキ スプーンで目をかくし スナップに写りこみ
時の流れ ランドルト環に橋をかけ 不器用な円になる

教室の窓ぎわ 一番うしろの席
太陽を見つめても 繰り返し瞬き涙を期待しても
黒板の詩を 参観日 読めず
その人は私の右横に来て 黒板の字をささやいた

土山さんは 眼鏡を外し 細部を想像するのが詩人と
そして それを必要とせず 細部まで記憶できるのが小説家と
そして 呂川で 遮眼子で涙をすくう

左眼の検査は遠い過去 右眼の検査は近い過去
誰かは聴力検査に進み 声を出して呼び止められない
そして 律川で裸眼となり 羞恥心を忘れる
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タグ:呂川
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通りがかりで彼岸花(亀岡市) [時井]

雷神が小太鼓をロフトボール
風神が練習球でドラムロール
雷注意報を恐れず 守り神が臍をかくし
挨拶は 頑張って下さいと一言 雨具で始球式をした

ひとりは heartをおさえ アプローチを助走する
フォロースルーはピンデッキを見つめ 後姿はピンデッキをかくす
crashする効果音が 鳴りわたる
次投球者とボールリターンでハイタッチ

ハウスシューズを持たない鼠が レーンに足音をつけ
私は 鼠を狙って①と⑩のスプリット
守り神は 雷警報機を片手にrain--wash

ひとりは ダブルを狙い 煙草休憩
ひとりは 中指爪先を割り 誰かが代投
誰の投球も レーンに輝く双子星のように
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通りがかりで夢コスモス園(亀岡市)

老人は 鉢巻を巻かれた親竹を切り
休憩時間 ノコギリの替刃を新品に交換する
竹を喰らう虫より早く 笹のおちる季節のうちに
蚊取線香の二本の煙は ひこうき雲のように

夕映え 液晶画面をあやすように
いないいないばあをする
いつのまに カウンターの新しい秋桜は
誰かさんからの いただきもの

カレンダーをみて 眼鏡を外す
一昨日や昨日や今日や明日や明後日は ひとかたまり
腕時計の長針と短針は コンパスのように 立ち上がる

老人が 正の字を書きつらね 交通量調査を実施する
二人乗り自転車は一台 乳母車は二人
九月になると 太陽の逃げ足は早く 老人は街灯の下に移動する
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