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通りがかりで珈琲フロート [時井]

弔いでめぐりあい あの頃と同じ髪型の誰か
常夏に初めて顔を会わせた人も 明後日会えば顔を知っている人
私は合掌し 流れてくる言葉を書きとめられず ひっかかるよう繰り返す
ペンやノートを取り上げられた世界の息苦しさを想像しながら

あなたは木霊 語りかけると優しく相槌を返した
だけれども むやみに早足で無言で去った
あなたは波 浮き輪にまかせ優しく包まれた
だけれども くらい瞳で 花束を抱いた記念写真を断り去った

ようやく私の涙がおさまるのに 遠い君をみつけた
誘われるまま 涙があふれもう止まらなかった
繰り返されたのは 奏者が調べる勇者の旋律

今はまだ ベッドのはしに腰かけているが じきに寝かされ骨となるだろう
霊柩車は右折し 消防団員が静かに敬礼をするとき
私は 彼らに 明日晴れるといいですねと呟くだろう
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通りがかりでR32スカイライン [時井]

朝 音楽が夏休みのおわりを告げ 広場で体操をする
青信号を直進し 朝日が目にささり
私は手のひらで光線を遮りつつ くしゃみをする
視界を失い 怯えつつ

午前 わたしとあなたは停留所へ向かった
窓越しの高い青空の雲が もう夏の雲とちがうと言った
私は この夏花火に一度しか行ってないと
あなたは 花火も海も一度も言ってないと

午后 フロントガラスに雨の乾いた雫痕が残っている
誰かの 降ってきたよという言葉を思い出す
誰かが 黄色のジャケットを羽織って自転車で過ぎていく

夕映え 私は左へ あなたはまっすぐ お疲れさま
青信号を直進し 夕日が眩しく視界はせまく 手のひらで太陽を隠した
後写鏡は 鮮やかに後方を映した
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通りがかりでR32スカイライン [時井]

停留所で 小さな手帳を拾い 交番に届ける
だけれども 無人で 置手紙に従い受話器を持ち 窓の外を眺める
私が無視するか あるいは気づかなければ
誰かはそこに戻り 今ごろ安心できたかもしれず

時どき よみがえるあなたの言葉は
あなたの落とし物 あるいは捨て物 それは樹木の葉っぱ
樹木は 喉の渇きに耐えられず 葉っぱを落とし
私は偶然みつける

横並びの机 ある日 あなたは私の背をわっとたたき驚かせた
ある日 あなたはシャープペンシルの芯を折り
私は痛っと声に出し あなたは ほんま?と聞いた

横並びの机 ある日 私はあなたの問いに答えられない
その日 私は今は少し待ってと答えるだけ
その日 あなたはかくせず 席を立つ
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おまけ
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通りがかりで桔梗(国道372号・亀岡市) [時井]

朝刊配達と朝刊配達が すれちがう
朝刊配達と夕刊配達は すれちがわない
酔芙蓉は 朝と夕べで装いをかえ
ハイビスカスは 緑色の蕾が順番を決め 一日に一花黄色く咲く

早朝の2ドア 不揃いなバス停ポールが四本並ぶとき 一本が人影に見えた
私はあなたと 偶然すれちがうかもしれない
かつて あなたは秋霜秋霜に律し 清純を帯び
かつて あなたは合縁奇縁を秘め 流れ星のようにむやみに潔く 

ある日 素早く仕上がった案件を あなたは素直に喜び
私の後ろ向きな言葉 あなたは どうしてそんなこと言うの?
理解できひんと 声を荒立て 私は言葉がなかった

夏の日 通りがかりの風景で 道沿いに 軒先に
見知らぬ誰かが生活する風景で 夏花がのぞいている
誰かがおおいと呼ぶ声 だけれども誰もいない 私はお茶を1本余分に買う
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おまけ
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通りがかりで京北夏まつり [時井]

ねずみ 鉢植えの水やりを怠り 花を枯らす
犬の散歩で リードを離す
草むしりを怠り 背の丈まで生やす
花火大会の準備から 一向に戻らない ねずみ・・・

私らは旧道に車を止め バックドアの下に椅子を並べ傘をさす
大雨警報で出発してから あなたは言葉少なく
だけれども 横顔のねずみが浮かんだとき あなたも笑った
「今夜やっと意見が一致しましたね」 フィナーレを合図にドアを下ろし 雨水を被り

帰り道 高架道路を下り 渡月橋まで戻ってきたとき
送り火の警備員は 右折禁止を合図する
私らは 夜空にうかぶ鳥居形を見つける

帰り道 片側通行の渋滞の最後尾となる
警備員が停止線で 赤いライトを持ち立っている
私は 送り火を探した
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通りがかりで哲学の道 [時井]

目覚ましを超えて目を覚まし
沓掛石に腰かけ 南の空に流れ星をみる
あなたとあなたとの お別れにより
確かに 私の中で振り子が揺れ始めている

私はソファに横になる
不意にあなたと再会し
夢のなかでもあなたの焦りに気づかず
たった数コマ 邂逅の道で 敬語で言葉を交わす

あなたは 私の制止も聞かず 白砂檀を超える
左手が砂に触れ
私が隠した決心が姿を現す

橋のたもとに2ドアをとめると 道しるべが隠れた
小道で 蜘蛛の糸と蝉の仕返しを浴び
木陰で 先客の鳩から羽音と風圧を浴び
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通りがかりでユリ [時井]

2ドア 走りなれた細道の十字路を
通り過ぎ 私に意識が回帰する
走りなれた道のはずなのに どこ? どこへ?
認識できないまま 木洩れ日を道なりに進む

通りがかりの停留所に 車を寄せる
湧きでる感覚は もう一人の私に会えた喜び
おそらく きっかけは再現できず
?秒 行先と目的と操作を忘れ

バスが後方に停車し 運転席に頭を下げたとき
行先字幕が読めた
後部座席の鉢植えと如雨露が目に入り 行先を思い出す

2ドア 休日の仕事部屋にたどりつく
軒下に 黄色のハイビスカスを置く
あなたへの謎解き 昨日までと今日のまちがい探し
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通りがかりで芙蓉 [時井]

夏の日の夕立 あなたの語る昔話は 私に魔法をかける
誰も来所せぬよう 電話を掛けぬよう この時が長く続よう願わせ
大雨に あなたの声が欠けても 聞きなおすこともためらわせた
あなたの横顔は 法悦に満ちていた

夏の仄暗い夕立 訪問客はない
雷鳴は 私らの会話を遮り
雷光は 真昼並みに 部屋中に あなたの頬まで届き
気づけば室内灯が消え 時間が止まった

小犬が ねずみを追いかけ回し
羊は 私の書き損じの起案文書を食み
雨もりは キラッと光り 「トップシークレットみつけた」とささやく

ほどなく 壁時計がコチコチ音を取り戻し 遅れた針に
誰かの誕生日を連想するとき あなたは「覚えてなくてよい」と
だけれども半年後 「大事なこと忘れているね」と
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通りがかりで長岡宮跡(向日市) [時井]

麦わら帽子は 都の痕跡を求め 地面を削る
高貴な方が座った場所に あなたは昔花壇を作ったと
私は 一塁から二塁に走れなくなった記憶があると
かつて私が置き去った記憶に 誰も触れないことを願う

十四行は 地面に腰を下ろす草たち
雨上がり 水たまりに映って一行 月夜 旅人に避けられて一行
ボールを探す少年に踏まれて一行
手をつなぐ恋人たちの無言に耳を澄ませて一行

いつかの七月十九日 私はある人を図書室に呼び出す
だけれども その人は現れず帰宅する
夕立 私は軒下で 雨やどりに訪れるその人を夢想した

いつかの三月十五日 日吉さんのギターの弾語りを一人聞く
だけれども 女生徒が教室に戻ってくるまで
歌について何も覚えていない 拍手をしたか覚えていない
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通りがかりで飛騨まんが王国(飛騨市) [時井]

風が 私が振る手にからまり 幾年ぶりに十四行を書き綴った
二たび巡る晩き春に 風がやむことを予感しつつ
風は ありふれた日々の中で 途切れ途切れに連れてくるから
片羽な行を見つけても 十四行に編み込む

その人が 呼吸を終えたと聞いたとき
私はその人の名前を呼び 聞こえているか? と問うた
さよなら ありがとうと言えば!
食事会のあと あなたの歌を歌う仕ぐさに手を振った!

長く 細長い一本道を ゴール地点を知らされず歩き
気づけば 競技場の周回走路を 規定周回数を知らず走っている
まだ ゴールテープ係もゴールテープも見えていない

蝉の幼虫は木の枝に辿りつくとき 羽化する体力を使い果たすかも
大きな風が吹き 木の枝を地面に落とすかも
だから 私は焦る気持ちで 十四行を並べる
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